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2018年に作られた
「部活動のガイドライン」を見てみよう

2019.11.25

中学生のあなたが参加している部活動に国の基準があるのを知っていますか?顧問の先生によると思っている人も多いかもしれませんが、2018年にガイドラインが策定されたのです。どのような基準で部活動を運営すべきと国が考えているのか、まとめてみてみましょう。

運動部と文化部で分けて策定されたガイドライン

ガイドラインの名前のとおり、部活動を運営する上での方針を示したものです。運動部は2018年3月にスポーツ庁から、文化部は2018年12月に文化庁から分けて策定された内容で現在の部活動は運営されています。

主な対象は義務教育である中学校の部活動です。ただ高校や学校の活動として実施されている場合は小学校も対象として考えられてはいます。国公私立など学校の種類や設置者・設置形態の違いもなく、国内すべての学校が対象です。またガイドラインにくわえて、各競技の大会などを運営する中央競技団体が作成する指導手引きをもとに、各学校で部活動の運営をする仕組みがとられています。

平日は1日2時間程度。活動量に規制が設けられた

策定された内容で注目したいのが、活動量の規制についてです。スポーツ医・科学の観点から、長時間の活動には否定的な考えは一般的になってきました。とくに成長期にあたる学生たちは、部活動以外にも多様な経験を積み、家族や友達と関わりあうなかで「生きる力」を培ってほしいとの考えを国はもっています。

具体的には、活動時間について下のような基準が提示されました。

  • ・週あたり2日以上の休養(少なくとも平日1日以上、土日1日以上)
  • ・1日あたり長くても平日2時間、土日は3時間程度
  • ・週末に大会参加などで活動した場合は休養日をほかの日で振り替える
  • ・ある程度長期の休養期間(オフシーズン)を設ける

地域とも連携しながら、環境の整備を

ほかにも環境整備についての記述もあります。生徒はもちろん、教師の長時間労働にもつながらないように学校は環境を整えなければなりません。適切な数であるのか、生徒のニーズに適っているのか。とくに運動部の方では、中学生女子の約20%が1週間の総運動時間が60分未満である点も指摘され、障がいを持つ生徒も含めた多様なスポーツニーズに適う部活動の設置を謳っています。

また各学校外・地域との連携体制の構築についても記述があります。たとえば任用前後で定期的な研修の実施も含めて指導員の任用が推奨されている点や、学校体育施設を開放してスポーツに親しめる場所の確保を謳っている点です。ほかにも複数校合同チームでの全国大会参加資格の付与や大会自体の統廃合など、既存の大会を見直してより適切な運営を奨励しています。

違反しても罰則なし。自治体・学校レベルではゆるめに設定

国はガイドラインを出すだけでなく、自治体や学校法人ごともそれぞれに方針を策定するよう求めています。ネットで探してみても都道府県などが策定したものが見られるので興味ある人は探してみてください。

またガイドラインには拘束力がない点も知っておくとよいでしょう。もちろん、違反したとしても罰則が設けられるわけでもありません。スポーツ庁の調査では、実際に国のガイドラインよりもゆるい規制を学校レベルでは設定しているところもあるのが明らかにされています。自分の所属する部活はガイドラインに従っているのか、確認してみてはいかがでしょうか。



【参考情報】
運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン
文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン