私立大学の一般入試は難しい?
共通テストとの違いなどとあわせて解説!
2021.06.03
大学には大きく分けて国公立と私立の2種類があります。今回は私立大学に焦点を当て、一般入試がどのように行われるのかということと、難しいのかどうかをお伝えします。私立大学の一般入試を検討している方にとって見逃せない重要な内容なので、ぜひ最後までご覧ください。
私立大学入試の方法
私立大学の入試には、どのような種類があるのでしょうか。入試の種類と内容を解説します。
大学入学共通テスト
「大学入試センター」と各大学が共同で行う「大学入学共通テスト」。「大学入試センター試験」に代わる試験として2021年に導入されました。
高校教育と大学教育をつなぐ架け橋として、従来のセンター試験以上に受験者の思考力や判断力などが問われる出題方式に変更されています。
なお、国公立大学の一般選抜では共通テストが必須ですが、私立大学の場合は「共通テスト利用入試」を受験する場合以外、共通テストは不要です。
共通テスト利用入試にも、共通テストの結果のみで合否が決まる「単独型」と、共通テスト後に大学独自の試験も受けて総合的に判断される「併設型」があります。
一般選抜(旧称:一般入試)
各大学が独自の日程で行う一般選抜。国公立大学に比べて日程が分散されており、組み合わせ次第で複数の私立大学を受験することも可能です。
同じ大学や学部を複数の入試方法で受験できたり、日程が分けられていたりと自由度も高い傾向があります。受験の機会が増えれば、合格の可能性も高まるでしょう。
受験科目数は3教科型が主流ですが、2教科型の学校もあります。目指す学部の受験に必要な科目を前もって調べ、受験勉強を進めましょう。
学校推薦型選抜(旧称:推薦入試)
かつては「推薦入試」という名称だった学校推薦型選抜は、高校が自校の生徒を大学側に推薦する入試方法。大きく分けて「指定校制」と「公募制」の2種類があります。
指定校制は、大学側が指定する高校の生徒のみが受けられる入試。公募制は、大学側の出願条件を満たしていれば、どの高校からも推薦することができます。
高校側が、受験する生徒の普段の学習の成績や学校への出欠状況、部活動の成績などをまとめた調査書を作成して大学へ提出。調査書の内容が合格者の選考に使用されます。
なお、選抜は調査書の書類審査のみのパターンもありますし、小論文・筆記試験・実技・面接などがあわせて行われるパターンもあります。後者の場合、生徒の表現力や個性も重要です。
総合型選抜(旧称:AO入試)
総合型選抜は、「その大学でどんなことを学びたい」という強い意欲が求められる入試方法。自分をいかに上手にアピールできるかが鍵になります。さらに、大学側の求める人物像にマッチしていることも重要です。
選考方法は、大学によって小論文・面接・プレゼンテーションなど多岐にわたり、選考期間も長いことが特徴です。結果が出るまでの時間が長いわりに必ずしも合格するとは限らないため、万が一に備え、他の学校や入試方法への対策も行っておいたほうが適策でしょう。
近年の志願者の傾向は
コロナ禍で学校に通えずリモート授業が行われる、家庭の経済状況が悪化するなど、先行き不安な状況ということが影響しているためか、近年は首都圏などの難関校への志願者数が減少し、受験先を絞り込んで地方大学を受験する生徒が増加しているという傾向が見られます。
一般選抜や共通テスト利用の志願者も減少傾向。理由としては、大学側が学校推薦型選抜や総合型選抜での合格者を増やし、入学者を確保している動きがあるのではないかと見られています。
私立大学の一般入試は難しい?
大学入試にはさまざまな方法があることがわかりました。では、実際のところ私立大学の一般選抜は難しいのでしょうか。
入試の方法による難易度の違い
入試の方法による難易度の違いはあるのでしょうか。ここでは、一般選抜以外の方法について1つ1つ見ていきましょう。
共通テストを介する入試は、大学独自の試験ではなく共通テストの成績をもとに判断されるため、志願者が多くなりやすいです。しかし、募集定員が少ないため倍率も高くなります。2~3倍は当たり前で、大学によっては40倍以上になることもあります。
学校推薦型選抜は、大学側が提示する出願資格を満たす必要があります。しかし、比較的ハードルが低く、学力に自信がない生徒でも部活動など特化する面があれば受けやすいことが特徴。入学者の約4割が学校推薦型であるともいわれます。
総合型選抜は学力を問われにくく、勉強が苦手な生徒でも受けやすい反面、選考には面接やグループディスカッションなどが行われることが多く、自己表現力やコミュニケーション能力が必要です。学力に自信がない生徒が狙いやすい一方、他の入試方法と比較して定員が少ないため、倍率は5~10倍ほどになることもあり、これは高いといえるでしょう。
一般選抜(旧称:一般入試)は難しいのか
一般選抜以外の方法について前述しましたが、では一般選抜の難易度はどうなのでしょうか。
一般選抜は大学ごとに対策が必要なため、一見難しく感じられるでしょう。しかし、他の選抜方法に比べて定員が多いので合格しやすいともいえます。
さらに、3教科型や2教科型など科目が絞られていたり、複数の大学との併願ができたり、同じ大学や学部を複数の入試方法で受けられる「複線入試」が用意されていたりと、受験生にとってうれしい仕組みがたくさんあるのです。
ただし、受験料は高めで、1校あたり35,000円前後かかります。国公立大学の2次試験の受験料が17,000円程度であることを考えると、およそ2倍です。さらに、歯学・医学系では40,000~60,000円ほどかかることもあります。
受験会場までの交通費や、遠方の場合は宿泊費などもかかるので、受験の前に費用について保護者とよく相談しましょう。
自分の学力やレベルに応じた私立大学の入試を受験しよう
人生の中でも大きな岐路となる大学入試。さまざまな試験がありますが、希望する私立大学に入学するためには、難しい一般選抜をクリアしなければならないかもしれません。自分の能力や可能性を信じつつ、もしものことが起きても後悔のない選択をしましょう。